「アキ!」


「ちょっと待ってて。」


アキは笑って、
ポケットから、携帯を取り出した。




トゥルル………
トゥルル………


『はぃ?何?』

「ハル?亜沙希だけど。」

『お―……なん?』

「声めちゃ枯れてるやん!
大丈夫?」

『あ―…咳とかはないけど
熱あるかな。
まぁ、大したことない。』


何度あるのか聞いて!


私はアキに口パクでそう伝えた。


「ハル?
熱何度くらいあるの??」

『ん―…さっき計ったとき8度くらいあった…』

8度!?


「完璧風邪だね。」


『おぅ…』


「見舞い行こうか?」

『いや、いい。
明日ノート見して。』

「分かった。
他の子たちにも伝えとこうか?」

『頼む。
なぁ、今日休んでんの俺だけ?』

「なに?どしたの?
ハルだけだよ。」


『そっか、ならいい』

「そ?じゃあもう切るね。
お大事に」

『おぅ。』

ツー、ツー、ツー

電話の切れた音がして
アキは携帯をポケットにしまった。


「さて、どうする?」

アキが聞いてきた。

「どうって?」

「今、自分のこと責めてるでしょ?」


ぐっ!バレてる…。

私は素直に頷いた。

「気にしなくていい。って言ってもどうせ聞かないだろうから…。」

なんか、アキには全部バレてるんだよなぁ〜。


「よし!明日ハルに見せるノート、カノのノート見せよう!」