「―――――え?」


神田の声が聞こえたが
私は話を続けた。


「なんで、関わるの?!
神田君に関わってから、
ずっと、調子が崩れっぱなしよ!神田君と話すとなんでか素が出ちゃうし!この前のバイクの居眠りだって、なんか安心しちゃってたからだし!
それに!それにねぇ!!」




……………え??なんで…
抱き締められてんの?!


「ちょっ、離して!!」

「…それに、何?」

「………は?」

「オレのせいで調子狂ってるんでしょ?他に何があんの?」

「こうやって、腕の中にいたり、バイクのとき掴まると心臓煩くなるの!でも、なんか安心しちゃうの!名前呼ぶのも呼ばれるのも恥ずかしいの!
頭撫でられるのはなんでか嫌じゃないし………
こんなん私じゃないのぉ〜…」


涙が出てきた。
泣きたくないのに…



「ゴメンな…
調子狂わせて。」

そう言いつつ、頭を撫で始めた。


だから、撫でないでよ!!

「もう離して!!」

「俺は、白紙に戻さないから。
ちなみに、偽装も続ける。」


「私の話ちゃんと聞いてた?」


「聞いた。よし、帰ろう!」

「ちょっ、手、離して!」


「嫌だね。」

なんか、やっぱムカつく!



結局、この日は寝れなくて翌朝、目の下に隅つくって帰宅した。


****************************



「……ってのがお盆の出来事。」


話終えた途端にアキが爆笑した。

「アキ…、笑いすぎ…。」

「ゴメ…ッッンっっつ」

「もういい。
ところで、和君もうすぐこっち来るよ。その格好はマズいでしょ。」


「あ、着替えてくる。」


まったく、どこがそんなに可笑しいんだか……