「なんで!?
なんで優しくするの!?
私、馬鹿じゃない!!もしかして嫌われてないかもなんて…っ
あんなの買っちゃって!!」

ふーっ、ふーっ……
一気に言って、息が上がる。

「もう!離して……っ」


………なんで……?


神田が腕を引っ張った瞬間、抱き締められていた。顔が熱くなってく。

「な、なにすん「嫌いじゃない。」

……え?

腕に力が込められて、
神田の顔を見ることが出来ない。

「嫌いじゃない。
さっきは、何も言えなかったんだ。その…嬉しくて…。」

「え……?」

(嬉しかった……?)

「だってさ、選んでくれたんでしょ?俺のために。」

そりゃ、似合わないのはあげらんない…。

「うん。ショップに行って、
店員さんに聞いて…」



「それが嬉しかったんだ。
ありがとう。」


腕の力が緩んで、顔をあげると神田の笑顔があった。


なんか…逆に照れるんだけど……。

「プレゼントじゃなくて、お礼だから!!ほら、いつも送ってくれたりしたから!!だから…」

言い訳してるみたいだけど言っておかないと!!

「うん。でも、ありがとう。」

神田の笑顔が変わることはなかった。