『え…?』

「なっちゃいけないとかじゃないよ?私はなりたくないの。」

そう、なりたくない。
幸せってそんな良いもの?

「アキ…和君、近くにいる?」


『いるよ!すぐ変わる!』

『もしもし?カノ??
迎えに行くから、場所を言え!!』

「あのね、和君には2つ感謝してるの。」


『感謝…?』

「1つはね、アキと恋愛してること。私ね、2人が一緒にいるの、凄く嬉しいの。ホントだよ。」


『カノ…今どこだ!!』

「2つ目は、あの時、たった1人、和君だけが私を責めたこと。」

『それは……すまなかったと思って……』

「謝らないで!!!」

「謝らないで?あの時、和君だけが言ってくれたんだよ??『お前が死ねば良かったんだ!!』って。」


『それは………っつ!』

「他の人は口で違うって言うくせに、目が和君の言った言葉を語ってた。」

ヴー――――

灯台からの独特なサイレンが鳴り響いた。

『…お前今あの場所にいるのか!?』


「私がお姉ちゃんと雅君の未来全部奪ったのに誰も私を責めないなんて変でしょ??(泣笑)」


『今そっちに行く!!』

「私はね?自分の1番大切な人と和君の大切な人の未来を奪ったの」


「ここで愛を誓った恋人同士の命を…っ、それを祝福しながら見守ってた人が奪ったんだよ??」


『違う!!あれは事故だ!!
もう、自分を責めるな!!』

「私が呼ばなければ、
ワガママを言わなければ、何も頼まなければあの2人は死ななかった。
和君もそう言ったじゃない。」


そう、病院に行ったとき和君に言われたから、
私は納得出来たんだ。

(私が殺したんだって)