「おや……?」

「あらま。」

私と矢野さんは顔を見合わせて笑った。
その間、佐藤君は真っ赤になって、立っていた。

あれ、受け取った方が
いいよね?

「佐藤君!」

手招きして、佐藤君を近くに呼ぶ。

「それ、どうするの?」

「えっと、先輩が指痛めたらとか、あ、妹がピアノしてるんで!
それで…」

なんでしどろもどろ??

「じゃあ、それ貰っていい?」

「えっ!?」

「2つ欲しかったの。
ダメかな?」

「いえ!全然!!はい!」

「さぁ、そろそろ掃除に戻りなさい。」

そう佐藤君に言ったのは矢野さんだった。

私も指を冷やしたあと、
掃除をして店を出た。



「寒―――い!」

今日はこの後、Xmaspartyをアキと和君とする予定だ。和君が店に迎えに来てくれる。

『雪はね、天使の涙なの。天使の涙が溢れてとまらなくなると雪になって地上に降るのよ。』

そんなのウソだぁと信じてなかったけど、

「今は信じてるんだよね。」

「何を信じてるんですか?」

「あ、佐藤君。お疲れ様。」

「お疲れ様です。
それで何を…」


「佐藤君は行かなくて良かったの??」


「えっ?」


「独り身よ集え!飲むぞ会」

ネーミングは川崎さんだ(笑)意味はそのまんま。

「あ、俺は、酒弱いですから…(苦笑)」


「そんなことないと思うよ??飲み会では前半はちゃんとついていけてるし。」


多分、強い方だ。


「いえ、先輩たちには全然かないません。」

「私はペース配分してるから(笑)一番強いの誰か知ってる??」


「え?川崎さんとか…?」


「川崎さんは私より弱いわよ??」


「ウソ…?!じゃあマスター??」


「正解は…矢野さんよ。」

「マジ!?あ、いえ、マジですか!?」


「マジよ(笑)」

その時…