「神田君!!」
矢野さんをなんとか引き止めた私は外で待つ神田のもとへ駆け寄った。
「橘さん、お疲れ様!!」
「来ちゃダメって言ったよね!?危ないって言ったよね!?」
なに堂々と来てんのよ!巻き込むために話たんじゃないのに…
「分かってる。けど……」
真剣な顔で神田は呟いた。
「橘さんが震えてるから。
1人で行かせたくない。」
………えっ?……あ…
手を見ると小刻みに震えていた。
「どうしても…来るの?」
「あぁ。」
「1つ約束して。
本当に危なくなったら
逃げて。自分自身を守って。」
「…分かった。」
「じゃ、行こう。」
なんか、神田といると調子が狂う。ちゃんと守れるといいんだけど…。
「なぁ、先に言っときたいんだけど…」
「…なに?」
「亜沙希が教えた番号…。」
「…ゴメンね、
あんな夜中に電話して。
もうしないから」
「…………………。」
「……なに?」
「いや……、あのさ……」
神田が何か言いかけたとき、駅の方から見覚えのある顔を含めた団体が私と神田に近づいてきた。