―『不良の才能』が無い奴は...

『人に良い事をする才能』があるんだって...

俺は...

たった『ひと夏しか生きられなかった患者』に
教わったんだ。―――
 

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はっきり言って...『なんとなく・成り行きで』...。
こんな理由で看護士になって8年...と、5ヶ月経った。



研修期間?が終わって...


だいぶ慣れてきた頃...
俺は、外科に呼び出された。



「外科なんか行った事ねぇけど...。」
呟きながら、外科長?みたいな人の部屋に
入った。


「失礼しまぁす。」
だるそうに入って
すぐに話を聞いた。


「君に担当して欲しい患者がいる。
外科を担当した事無いのは、
承知の上だが...。」


「別に良いですよ?」


俺は、すぐに応えた。


どうせ暇だったし、
外科なら結構給料が良さそうな気がした。


それに...
外科は、患者が多いイメージだったから...

多分人数合わせの為だろうって思ってて
簡単な事だと思ってた。


『簡単な人数合わせの為の担当で
給料も良さそうな外科での仕事』


俺は、こう思ったから...
すぐに応えた。

それだけだった。