「...止めます。」



言わざるを得なかった最悪な一言。




俺こと...筝婁(コトル)が憧れで入った不良の世界。



天頂(テッペン)目指して入った街一番の最強不良チーム。



...掟有りの厳しいチーム。



俺は、この掟に引っかかった。




『一度でも負けたら即止める』

こんな掟を守れるのは...

かなりの最強の不良のみ。


だから...この掟が
俺の入ったチームを最強にさせてる原因というか...。


少人数なのにこのチームが最強と言われ続けるのは...
一度も負けないような不良が居る訳で...。



とにかく、今日俺は...。
負けた...。



ボロボロの俺を待っていたのは...
一度も視線を交わさないチームの奴らと...。


止める宣言を待つリーダーの姿だった。



最強チーム...。
もちろん...最強になれなかった奴への対応は、厳しい...。



『つか、一度も負けねぇって...どんだけだよっ!』
こんな事を思いながら...。

天頂目指して入り...止めざるを得なくなり二度と戻れない...
最強になれなかった、街一番の最強不良チームに背を向けて去りながら...。



俺の掟との恐怖の戦いと...最強チームの天頂への夢は終わった。