朝6時
琉菜の部屋のチャイムを鳴らした

俺はスーツ姿
大きな鞄を下げている

もちろん鞄の中身は学生服と『冬馬 郁巳』グッズだ

琉菜が昨日買ったばかりのスーツ姿でアパートのドアを開けてくれる

「持ってきた」

俺は試供品の入っている紙袋を持ち上げた

「おはよう
ありがとう」

琉菜が軽く頭を下げる

紙袋を持っている俺の指を凝視していた
琉菜の前には俺の指についてるゴールドの指輪だった

さっき指にはめた

姉貴にバレるとやばいから
家ではポケットにしまっていた

「化粧…しようか」

「あ…うん」

俺は琉菜の部屋にあがった
玄関に鞄を置くと、琉菜の寝室に入る

綺麗に整えられている寝室

鏡台の前に立つと、試供品を袋から出した

「琉菜の肌の色に合わせて、一通りのものを用意したよ
椅子に座ってよ
今日は俺が化粧をしてあげる」

「よ、よろしくお願いします」

「丁寧語に戻ってる」

「お願い」

「そう、それでいいよ
さあ、座って」