スピンオフ『真っ赤なお伽話』

「最後に遺言はあるか?」
スーツをきた男たちの一人が、一切表情を変えず口周りの筋肉だけを動かし言葉を発する。
「およよ?雑魚キャラ×7のくせして生意気にも決めゼリフですか?」
スーツの男たちとは対照的に心の底から愉快そうに笑い声を上げる轟々野。
「人間ではない魔王を理解しようと考えた、私が間違っていたか。」
スーツの男たちの一人がトカレフの銃口を轟々野に合わせる。
轟々野は一切笑顔を崩さず、軽佻浮薄にただただ笑っている。
まるで恐怖などどこかに捨ててきたかのように。
まるで笑うことしか知らないように。
「やれ。」
乾いた銃声のみが、廃工場内に響き渡った。