家で仕事をしていると、いきなり電話がなった。




壁掛け時計をみると、10時をすぎていた。



こんな時間に誰だろう…?







電話のディスプレイをみると、病院の名前。







何かあったのか…!?

急に心臓がうるさくなる。







慌てて受話器をとった。







「もしもし?」


「あぁ…尾上君かね?私だ、前田だ。」


「お疲れ様です。」


前田先生とは当直を替わった先生。


「電話しちゃって悪いんだが…先ほど君の担当の患者さんが不調を訴えられた。」


俺は急に力が抜けた。


さあっ、と全身から血の気がひくのがわかった。


彼女に何かが…?!





「で、どうだったんですか?!」

俺は焦っていた。


「あぁ、大丈夫だよ。見に行ったんだがね、きっと一時的な足の痺れだろうと思う。心配しなくていいよ。ただ連絡はしておこうと思って。」


「そうですか…わざわざありがとうございます。彼女の事、今晩はお願いします。」


「わかった。では、おやすみ。」


「おやすみなさい。」

そう言って受話器を置いた。
俺の手は震えていた。