ガーゼ交換も…







あんな事実をしらなければ朝っぱらからひょいひょいと行っていただろうに。







知って良かったような、

逆に知らなければ良かったような…


どっちも、嫌だけどな…







意味の分からない気まずさを抱えた俺は、ガーゼ交換に行かないことにした。

別に今日はガーゼ交換に行く必要もなかったからだ。



彼女の傷は治ってきている、順調に。


だからガーゼ交換も毎日する必要はなくなってきたのだ。







患者の復帰、患者の退院。

医者として、それは最高の幸せ。

その時間を患者と共に迎えられ、感じられることが何よりの、幸せ。








な、はずなのに。


馬鹿な俺は、悲しんじゃってるんだよな。


本当に馬鹿。


自分でも笑って、呆れてしまうほど、馬鹿。







こんな状況でも、彼女と離れたくないと思っている。

もう、叶わない恋だとわかっているにも関わらず。







ましてや患者の退院喜べないなんて、本当に最低。





救いようのない俺を、どうか救ってやってはくれませんかね?

神様…。