汗、と自ら豪語するその目から流れる液体を拭う。







言うまでもなく、明らかに涙。



強がっても…余計に辛いだけなのにな…。







マジかぁ~


彼女に彼氏かぁ…







彼女、可愛いもんな…






初日に見た、あの天使の様な寝顔を思い出す。


あの姿は、もはや俺の脳裏に焼き付いている。


かなりひどく、深く、印象づいていた。







特等席だと思ってた場所は…俺のものじゃなかったんだ…。




会釈してきた男の顔を思い出す。







お前が、憎いよ。


俺よりも先に彼女に出会えるなんて。


彼女の彼氏になれるなんて。







所詮俺はおっさんだよ…




くそっ…!







拳を強く握りしめた。








所詮、医者が患者に恋って時点で間違えてたんだよ。


な?俺。







頭冷やそ?


こうなって良かったんだ。

自分の為にも、今後の為にも。







いつかは必ず別れが来るんだから…







はぁ…

何が運命だか。

何で運命なんか感じてんだか。





柄にもなく、声を上げて泣きたかった。