「これ、付け忘れてたんですよ。」

そういって、彼女の腕につける。


か細く女性らしい腕で、強く握るとおれてしまいそうだ。







ヤバい…必要以上に緊張しちゃってるよ…







慎重に彼女の腕につける。







彼女の傍らにある椅子に座ろうか、と思ったが、もう今日は遅いし、諦めた。







諦めのいい、潔い男の方が好かれるんじゃないかな?
なんてね。







「おやすみなさい。」

俺の精一杯の、おやすみなさい、をいった。

愛情たっぷり、優しさたっぷり。






「おやすみなさい…」

彼女の可愛らしい、おやすみなさい、が聞けた。




カーテンを冷静にしめ、

よっしゃあ―っ!!

とガッツポーズをした。







おっと、いけない。

まだ勤務中だった…






彼女のおやすみなさいを胸に、部屋へルンルンと戻っていった。