逃げるようにして、俺の憩いの一室へ引き返した。 こんな新鮮な気持ち、久しぶりだ。 それにしても面白かったな…あいつ。 「柊…しおり…か……。」 小さな声で呟いた。 静かな部屋に、俺に発せられた彼女の名前が、響く。 カフェラテを飲んで、ほっと、一息。 それにしても、何であんなに俺、動揺してたんだ…。 まるであいつに翻弄されているようだ。 全く…変わった力を持っているやつだな…。 深く息をついて、前髪をくしゃっ、とかき上げた。