ただ月日が滔々と流れただけではない。

俺自身もそれなりに一年でこの場に適応した。


新しい上司にも慣れてきたし、
俺についてくれている看護士とも上手く連携できるようになった。
ここの患者ともなかなか良好な関係だ。以前では考えられない。


人員はやはり少なく、前の病院よりかは大変は大変だが、俺自身の力量を試されているようで、
それはそれなりに楽しく、活力でもあった。

貪欲にスキルアップを望んで精進していった。

献身的に患者の経過を観察し、
上司から学び、
手術でも執刀の補助をし、
勉強会にも意欲的に参加した。


どこからこのやる気は沸いてくるのだろう?
純粋なやる気か?やけか?
彼女のため?いや、彼女を忘れるため?


こうでも忙しくしてないと、
彼女が脳裏をよぎるから?


―――きっと、そうなのだろう。情けないが。