――コンコン


「はい。どうぞ。」

椅子にかけてある白衣を取り上げ、袖に腕を通しながら答えた。



ドアを開けて入ってきたのは、竹下医師だ。

「おはよう。今日新しく入院してくる患者のカルテだ。目を通しておいてくれ。術後の経過観察は君に頼むことになるだろうからね。」

そう言って、カルテを机の上においたと同時に、
くるっと踵を返し、今さっき入ってきたドアの方へとスタスタ歩いていった。

「了解いたしました。」

そう答えたと同時に、パタン、と竹下医師が部屋から出て行った。



―――よし、今日もやるか。

残っていたコーヒーを、一気に飲み干した。