――月日が経つのは
本当に早い。

年をとる度、一年が短く感じるとは
誰が言ったものか、
本当に的を射た表現だと
身にしみて実感している俺は
きっと年をとったのだなあ、と
しみじみ実感する。

年をとる度に、誕生日なんて、とんと気にしない。
だから、こういう瞬間くらいしか、自分が年をとっていっていることを実感出来るときはない。


あれから数年。
彼女は元気にしているだろうか?

きっと彼女は、21歳になる年だろう。
美しい大人の女性になっているのだろうか。
元気に過ごしているのだろうか。
進路はどうしたのだろうか。
……彼氏はいるのだろうか。


会えもしないであろう女性のことを
未だに思い続けている俺は、やっぱりまずいのだろうか。

きっとこのまま一生、彼女を思い続けるのだろう。
そうなると必然的に――きっとこのまま一生、独身だろう。


あれから月日は経ったけれど、
俺の毎日の仕事も、
職場も、
彼女への思いも、
そして、毎朝のこのコーヒーの味も

変わらない。変わっていない。