―――もうすっかり夏らしさは消え、
木々は赤や黄色に鮮やかに色付きはじめ、いよいよ秋がやってきた。







神様がくれた、偶然というか…運命のおかげで、あの時彼女に会えた。


その時の彼女の言葉を胸に、俺は今頑張っている。








だんだん任される仕事や、オペの数も増えてきて、仕事も起動に再び乗り始めた、今日この頃。







「尾上君、ちょっといいかな?」


部長が部屋に訪ねてきた。


「あの、少し真剣な話があるんだがね?」

「はい、何でしょう?」


俺は部長と自分の分のカフェラテを入れながら尋ねた。



「その~…
尾上君は、結婚する相手の方とか…いるのかね?」


何だかもじもじとしている部長。


「結婚!?ですか!?」
部長の口から予想外の言葉に、思わずカフェラテを落としそうになった。




「いきなり何なんですか?」

苦笑しながら部長にカフェラテを渡す。