「せんせいっ!!!」







後ろから、彼女の声に呼び止められた。






ゆっくりと、振り返る。







そこには、真剣な面持ちの彼女。







「ありがとうございましたっ!!」







予想外の言葉。


一瞬固まった俺。







お礼を言いたいのは、俺の方なのにな…






今まで鉄の仮面をかぶっていた俺の仮面を引き剥がしてくれた、初めての人。


愛の意味を教えてくれた初めての人。







ヤバい。
また泣きそう。


こんなにも涙もろくなったのも君のせいだよ…







感謝の気持ちを込めて、笑顔で右手を上げた。



そして、また、背を向けて歩き出した。






彼女のその言葉、一生忘れない。


胸に抱き続けて、これからも生きていく。







俺の、一生の宝物。






俺は1人、はにかんだ。