ID…憧れの城崎副部長もいて…部長と接するきかいも多くなる…

でも唯一のきがかり…


「緒方副部長もいるんですよね…?」

「そうだ。それがどうかしたか?」

「い…いえ」


ああ…緒方のツンツンした髪の毛すら怖くなってきた。

そんな時だった。広い空間1面に響き渡ったノックの音。それと共にほがらかな、あの優しい声が聞こえてきた。


「緒方~イチャつくのもいいけど仕事してねー?あ、羽鳥さんID出世おめでとう。1000円以内なら何か買ってあげるよ」

「城崎!お前なぁ…俺はイチャついてるわけでもないし、仕事をしていないわけでもない!それと、羽鳥にはなるべく変な誤解をさせないでくれ。頭悪いから…」


最後の言葉だけが妙にしんなりとしている。だが、失礼なことには変わりない。


「ちょっとぉ!どーいうことよ!上司のクセして部下の悪口言わないでよね」

「悪口じゃない。正論だ。だいたいなぁ城崎の言うことの半分は、社交辞令だ!間に受けんな!」

「ねえ緒方」