カンカンに火照ったあたしの顔。太陽の光が強くて強くて、もうそれは手では覆い隠せないほど。

だが、太陽よりも強いものがある。それがこの緒方誓だ。

死に物狂いで働くあたしを、一瞬にして踏み潰し地獄へと引き摺り下ろす。

セイだかなんだか知らないけど、そんなかっこいい名前もらっちゃってさ…中身は、金魚のフンより汚いのに…


「羽鳥、ちょっと来い」


突然背後から頭を掴まれる。こんな悪どいことするのは緒方しかいない…

ん…?ちょっと待てよ。


「…っまさか…今の聞いてたんですか…っ!?」


あたしは、派手な音とともに椅子ごとひっくり返りそうになる。


「は?なんの話だよ。そんなくだらんもの聞いてないわ、ボケが。いーからこっち来やがれ」


ヒートアップされた毒舌に思わず舌打ちをした。

聞こえてなかったから良かったものの、アイツの耳に入ったらまず命がなかっただろう。