* *


学園祭といえば、季節は秋。


あたしはそう感じる。


だけど。


「ねぇ、今5月上旬だよね?」


黒板に板書された文字を見ては、陸に疑問を投げかける。



「…?そうだねぇ」


あたしが言いたい事が全く分からないらしく、陸は首を傾げた。



「じゃあ、何でクラスの出し物決めてんの?」


「はぁ?学園祭があるからに決まってるだろ」


「じゃぁ、何でこの時期に学園祭するの?」



あたしの質問攻めに、陸は呆れたような顔を浮かべる。


「秋は、受験前もあるからだろ?夏は甲子園…冬は受験で春しかないだろ?」


そうか。

あたしは陸の言葉に、成程と感心した。


「で、このクラスは、今年はどうするのかな?」


クラスが持ち上がりのあたし達クラスは、去年はお化け屋敷をやった。


意外にも、唯一のお化け屋敷と称され、お客は大繁盛。


好成績で、閉めたという結果だった。



「あ、メイドはー!?」


陸が手を上げながら、立ち上がった。


その瞬間、おおーと拍手が聞こえてきた。