* *


月日は流れ、気付けばもう卒業式。



今日は卒業式だ。



なっちゃんは無事、本命の私立大学に合格。


ちなみに、西高からの進学組はたったの1割程度しかいなかったようだ。


おまけに、なっちゃんが一番良い大学に入学らしい。



すごいね、なっちゃん。



「うわぁ。先輩…!留年すればよかったのにぃ!」


陸が鼻水をたらしながら、野球部先輩たちに別れを告げた。


「あほか!縁起でもないこと言うな!」



「だってぇ!」


「陸!今年こそは、甲子園行けよ!お前ならいける!」


「もう言われなくても行きますよ~」


とりあえず、あたしはもう関係のある先輩方とは別れを告げたので、陸の傍にいるのだ。



「……陸、あんた泣きすぎでしょ」


「だってー」


あたしは陸にハンカチを差し出した。


「ありがとうー」


陸はハンカチで涙を拭いた。


そして…鼻をかむ。



「おわー!お前、最悪な奴だな!」


「ハンカチもらうねー…」


ど、どうぞ…。