「自分からしたんじゃん」


「だって、お前がやれって…。さっき球打ったし」



……うん、そうだ。


でもね、今冷静に考えてみると、なっちゃんわざとだったんでしょ?


わざとあたしに打たせるように仕向けたんだ。



だって、あんな球誰だって投げれる。


小学生だって打てちゃうんだもん。



なっちゃんだって、あたしとキスしたかったんじゃない?



まぁ、たとえその考えが違うとしても、彼の優しさはすごく伝わった。



「なっちゃん、ありがとね!」


「……おぉ」


なっちゃんが立ち上がり、笑みを浮かべた。




「……好きだよ」


なっちゃんがそう小さく呟いた。



独り言のように。



「知ってるよ?愛人よりもあたしを愛してよっ!」


そういって、気合をなっちゃんの背中にバンッとたたきつけた。



「いった!しかも、愛人なんかおらへんって!俺は一筋やって!」


「陸は?」


「あいつはただの後輩やん!」


陸のことを今でも後輩と思ってくれているなっちゃんに胸が締め付けられる。


それに、一筋であたしを愛してくれるだなんて…!


これからもずっとキミを愛すよ!