* *


「大体よー、お前が弥生さんをドMとか訳のわからんことばっかいうからこんな目にあうんだよ!」


「はいはい、すいませんねー!」



やっと、あのクソ野朗先生から解放され、あたしと陸は帰り道を歩んでいた。


「おかげで、野球できなかったじゃねーか」


「知るか、んなもんっ」



校門をくぐり抜けたとき、丁度、見覚えのある人影が見えた。



……な、なっちゃん?


西高の制服をきた男の人が、西高の校門をくぐりぬけている。


顔は良く見えないが、なんだろう…。


すっごーい怖いオーラが漂っている。


「あ、弥生さんだ!やーよーいさーん!」


陸がなっちゃんに向かって手を振る。


すると、なっちゃんは顔を上げて、すごい顔であたしたちを睨む。


「あたしたち…何かした?」


「い、いや…してねぇよ、なぁ?」



なっちゃんが睨む。


そして…。



「お前ら、死ねよ!」


なっちゃんがそういって、陸の頭を叩いた。


「な、何すか!」


「授業中電話しやがって…!おかげでなぁ、俺寝てることもバレたし、先生に丸一日怒鳴られまくったんだよ!」


目をうるうるさせて、なっちゃんがそう叫んだ。