「知ってるなら、やめなさいよ!」


「何でよ!?どうせ工藤さんなんか、安西くんの事何一つ見ようとしてないじゃない!気持ち…知ってるくせに!弄んでるくせに!」


……も、弄んでる…。


あたしの胸に棘が刺さる。


「高橋さん!」


陸が、高橋さんを睨んだ。


「央の事ばっか悪く言うなよ!俺の愚痴はいいけど、俺…央の愚痴言う奴は許せねぇんだよ!」


陸の言葉に胸が締め付けられる。


「悪いけど弁当は受け取れない。」


高橋さんが弁当を持って、自分の席へと戻った。



だめなのかな。


陸の想いがあたしにあるって知ってたら、もう関係を続けてちゃだめなのかな。


陸を、親友という立場においていいのかな。



「央ー、そういや絆創膏もってねぇ?」


陸が笑顔で話しかける。


その笑顔が物凄い切なかった。


「………ない」


「だよなー。さっき、はさみで遊んでたら切っちゃってさぁ」


陸が俺ってばかだよなぁって呟きながらパンを食べる。



「陸……」



「うん?」

陸が首をかしげた。



「あたしたち、バカするのやめよっか」