* *



「んー…、やっぱ無理だよぉ」


放課後の校門前。


チラホラと東高と西高の制服を着た生徒が帰っていく。


昨日の意気込みは何だったのかという突っ込みをされるほど、やる気が下がった。


だって。


さすがうちら、東高。


警備体制が半端ない。


「つかさぁ、東って女子半端なく少なくないか?」


隣にいる弥生捺来…通称なっちゃんは、あたしと少し距離を置きながら言った。



「あぁ、東高って女子の定員数が大幅に狭いの。学年全体の定員数は、400なんだけど女子はその10分の一しかいないの」


「10分の一…」


なっちゃんが両手を挙げ、指折り数える。


…別に、指使って計算するほどじゃないよね?


ていうか、逆に指使った方が難しいんじゃないの?


「…もしかして、400の10分の一も分からないの?」


なっちゃんはあたしを睨み、羞恥により赤面する。



「分かるわ!」

……いや、絶対分からないだろ。

その様子からして。


どんな学校生活を送ってきたんだ。


分数だなんて、小学校レベルなんじゃないの?