「…9回表。これで東の攻めは最後や」
「10回までじゃないの?9回で最後とか微妙くない?」
そう質問したあたしをなっちゃんは睨む。
「お前、何やねん。延長戦になったら、10いくわ」
9回で終わるとか、微妙だよ。
ま、まぁ、そんな疑問はおいといて。
あたしはテレビを見上げた。
テレビではマウンドに立つピッチャーが真剣な表情で、キャッチャーに投げる。
「……真剣だね」
「そりゃあそうやろ。へらへらして試合に臨むアホ、安西でもせぇへんわ」
……そうだよね。
いつもバカみたいに笑っている陸でさえ、真剣なんだもん。
「あ、打った!」
東の選手がボールを遠くに打った。
「あ、まずい!」
なっちゃんがそう言った理由はあたしでもわかった。
ライトが、ボールを待っている。
あれ、絶対とられちゃう!
ライトがとっちゃう…!
「きゃー!」
しかし、相手のライトはとんでもない失敗を犯した。
ボールを、キャッチ…できなかったのだ。
「やった、外した!」
「まわれ、まわれ!」

