「……なっちゃん。アウトなったよ、交代?」
「いや…。3アウトで、交代…」
なっちゃんも衝撃をうけているようだった。
2人の様子から、さっきのバッターは相当期待されている一人だったのだろう。
次のバッターに期待しよう。
あたしも酒巻、明菜と同じように立ち上がり、試合を観戦した。
なっちゃんは座る。
冷静だな…、相変わらず。
ピッチャーが球を投げた。
「あっ、打った!」
しかし打った球は転がり、ピッチャーの元へと進み、ピッチャーがそれを一塁に投げた。
「アウト!」
ランナーが遅いわけじゃない。
ピッチャーの素早いパス、それに、打った球も悪かったのだ。
それは素人以下のあたしでもわかった。
「2アウト…」
なっちゃんが静かに呟いた。
「まぁ、これからだ!なんせ、1回表なんだからよ」
酒巻がガッツポーズを決めた。
しかし三番打者は何とかみんなの期待に答え、打つことができ、見事一塁へと進んだ。
「よし、この調子だ!次は、四番打者」
酒巻がそう言った。
「ねぇ、四番打者ってすごいの?」