「てか、こんなとこで立ち止まらないで、さっさと入ろうさぁ」
明菜が被る麦藁帽子を深く被って、酒巻の腕を引っ張る。
明菜の服装…、リゾート気分を楽しんでますって主張してるみたい。
何だっけ、マキシ丈ワンピースみたいな名前だっけ。
ファッションの名前は基本、覚えないから知らんけど。
あたしがそんな事を思っていると、なっちゃん、酒巻、明菜の3人はあたしを置いて階段を登り始めていた。
ひ、酷い!
このあたしを置いていくなんて…!
あたしは、慌てて3人の後を追った。
……ヤバイ。
何この暑さ。
暑すぎんだけど。
熱中症にでもなりそうな勢いだ。
球場の階段を登り終えると、またさーらにすっごい人混み。
「もう、やだぁ」
みんな、よくこの炎天下で応援する気になれるよなぁ…。
あたしなら、絶対、ぜーったい陸に誘われなかったら行かないもんね。
「なっちゃん…、暑い、暑いよぉ」
「お前が俺を誘ったんやろ?じゃあ行くなや」
なっちゃんの冷たーい言葉が、背中にゾッときた。
「だって、陸がぁ」
「ゲーム見てたら、そんなこと思わんよ」

