そ、そんな同情いらないよ!
「さーて、昨日から陸はスランプ状態に陥ってるからなー。挽回できるかね」
「やっぱりスランプだったんや…。昨日の投げ方、難があったもんなぁ」
あぁ…。
スランプ……?
昨日の陸みて、そんな感じはしなかったけど。
……そう言うと、これだから素人は…って呆れられちゃうからあえて言わないけどさ。
「…陸、大丈夫なの?」
「まぁ、今日はいけんじゃね?お前いるからはりきってるだろうし」
……あ、あぁ…。
酒巻の言葉に何もいえなかった。
一瞬だけど、なっちゃんと目があったような気がした。
……気のせいかな。
気のせいだよね。
「2年で、3年のキャプテンとバッテリー組むんだもんなぁ。すげーよ、陸は」
「ば、ばってりー?」
酒巻の言葉に戸惑う。
あたしにとって、野球用語はチンプンカンプンだ。
「お前、それ素人でも知ってるレベルやんか。バッテリーくらい知ってろよ」
そんなあたしに気付いたのか、なっちゃんが呆れながらそう言う。
「う、うるさいな!野球なんて、知らなくてもいいもん!」
なっちゃんに素人以下って言われると、なんだか腹が立つ。
…陸だと、笑いで飛ばせたのに。

