「お前、やっぱ遅いなぁ。」
酒巻があたしを見下ろしながら言う。
なんで、さっきから人に見下ろされなきゃならないのよ!
「遅いのは、なっちゃんのせいだもんねー。なっちゃん、寝坊して所持金0よ!ぜーろ!」
「うるさいな!お前が嘘つくからだろ!喧嘩するとき、金持ち歩く奴がどこにおんねん!」
「喧嘩?」
酒巻と明菜が首を傾げる。
そ、そりゃあそうなるよね…。
「い、いやぁ。何でもない」
あたしは慌てて首を振って、笑顔をみせた。
その笑顔に酒巻と明菜が吐き気を催すかのような、顔をした。
…なっちゃんでさえも、変な顔をしている。
な、何よ!
あたしの笑顔が気持ち悪いとでもいいたいわけ!?
陸は、喜んでくれたよ!
「陸がよー、央は絶対遅刻するからって内野席のチケット余分に2枚買ってろって夜中何回も電話あってよ。ほれ」
そういって、酒巻はあたしに2枚のチケットを差し出した。
「何これ」
「内野席のチケットのほかに何があんねん」
あ、あぁ。
なるほどね。
「あ、金は?」

