「あー、キミ、如月さんの妹!」
桜庭海斗があたしを指しながら、そう言った。
いやーん!
覚えてくれてたぁぁぁ!
「知り合いか?あまり女子高生に近付くな」
「もー知り合いっすよ。俺、女子高生に手を出すほど、子どもじゃないんで。」
「まーな。お前には、ホモ疑惑もあるしな」
「それも、ないですって」
マネージャーと変な会話を交わしている桜庭海斗。
ほ、ほも?
周りの目が、こ、怖い。
周りがあたしを睨んでいる。
さっき、指差されたからかな?
「あの、なっちゃんの連絡先を教えてくれませんか!?」
「捺来の?」
桜庭海斗は、あたしに手招きをして隅っこの方へ連れて行った。
「公で、捺来の名前出さないでくれよ…」
「あっ、ご、ごめんなさい」
ファン共がみんなあたしを睨む。
こ、こえー。
「で、なんで?」
「なっちゃんを甲子園予選に連れて行きたいんです」
「……アイツは行かないと思うよ。」
そんなの、わかってるもん