「陸、連絡先をもらいにいくよっ」
あたしは鞄をもち、立ち上がる。
「おいっ、なんだよ、お前バカかよ!?」
「あ、お金は、あたしが出すよ!でも、今は陸が出してて!すぐ返すから」
あたしは急いで喫茶店から出て、収録中の桜庭海斗達に近付く。
「……はやく、オッケーでーすっていわないかな」
そしたら、すぐなっちゃんの連絡先を聞けるのに。
しばらく、経つと会計を済ませた陸が走ってきた。
「おい、お前、桜庭海斗の連絡聞けるわけねーだろ!」
「ちーがーうー」
あたしは人差し指をたてて、左右に振る。
「実はね、桜庭海斗の弟…知ってる?」
「知るか。俺、アイドルには興味ねーんだよ」
「あたしに興味あったら、そこにも興味沸かせなきゃ」
あたしがそう言うと、陸は顔をまたまた真っ赤にする。
「もう、お前嫌だー」
両手で顔を隠し、陸がそう言った。
おかしいやつだなー。
「桜庭海斗ってね、本名弥生海斗っていうんだ」
「やよい、かいと…?」
そう言った瞬間、陸の顔が驚きの表情にかわった。

