「アウトしたら、許さないかんねー!」


「おう!」


あたしは小指をたて、陸の前に突き出す。


「指きり!」


「んは、何だそれ。ガキかよ!」


グチグチ言いながらも、笑顔は絶えることなく、あたしの小指に自分の小指を絡める。



この時間が、最高に楽しくて。



「よっしゃー!陸!東の優勝を願って、七拍子ー!」


「え、七拍子だけかよ!」



あたしと陸は、バカみたいに笑った。


もう小学生以下の公園にいる園児のように、騒ぎまくった。




もうクラスメイトもあたし達には、呆れを見せているようだった。




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「何だ、あれ」


仁が明菜に、そう問いかけた。



「…昨日のアレは何だったって感じだね」


「なんか、俺らだけ央を恨んでいたのがバカみたいだな」


仁が頬杖をついて、陸と央のバカ騒ぎを見つめていた。



「……陸は、スゲー人を好きになったもんだ」


仁が央を見て、そう言った。



その仁を見つめる明菜は、ただ顔を染めるだけだった。