「え、あ?深波……?」
桜庭海斗が、あたし達を見て動揺を隠せないようだった。
「…俺の友達、弁護士の如月蓮だ」
蓮兄が不機嫌な顔丸出しで顔を軽く下げた。
……忘れてた。
蓮兄の嫌いな人間って
桜庭海斗じゃないの!!
「弁護士…」
桜庭海斗が呟いた。
一方、ふて腐れた少年は。
「何。裁判でもするん?俺やってもないのに、訴えられたんか?」
切れた唇をあげて、馬鹿にしたように笑う。
「だから無実を証明させるんだ、如月に」
「おい、待てよ、相沢。今、俺が弁護人になるのは難しい。」
蓮兄が慌ててそういった。
「誰が弁護人になれっつった?無実を証明しろと俺は言ったんだ」
「だからそれが弁護人になれって事だろ?」
蓮兄と深波さんの口論は続く。
「あ、店には訴えられてないんですが…、その僕に影響が出る…というか」
桜庭海斗がもごもごとした口調でそういった。
「そうか!芸能人だからマスコミがうるさいのか!」
あたしは手をパチンと叩き合わせた。

