「えっ、まじで?」



意外にも陸は、そんな事を言い出した。



…え、何。


嬉しくないわけ。



「でも、休憩が重なるってことは難しいでしょう?なんせ、スタッフとホストだし…。時間ずれるかもよ?」


「あ…、そうか」


陸の顔が一瞬にして、暗くなってしまう。



「だから、休憩が重なった人と回ったほうがいいんじゃないかな」


「あ!わかった、じゃあ、休憩入ったら呼んで?そん時、俺も休憩とるから」



人の話を全く聞かない…。



「そんなにあたしとまわりたいの?」


「へっ?」


陸がバカ丸出しの顔を浮かべ、再び、顔が真っ赤になっていく。


「そんなわけないだろ!?ばっかじゃねえ!?」



「ほぉ…。じゃあ、あたしじゃなくてもいいんじゃない?」



「……ッ、とりあえず休憩入ったら俺呼んでな!」


陸はそれだけ言い残すと、スタスタと酒巻のところへ向かっていった。



「変な奴ー…」


「アンタ、本当鈍感なのか、悪魔なのか分からないよね」


明菜があたしの肩に手を回して、ポンポンッと叩く。



……どういう意味よ。