「こんな服装滅多にしないからなー」


今日の陸はとても新鮮だ。


着慣れないスーツを着て、なんだか格好いい。



やはり、彼は原石なのだ。


あたしはそう確信した。



「どうする?指名NO1になったら」


「えー。そりゃあ、やっぱ単純に嬉しいよねー。まあ…、仁がいる時点でアウトだけどさ」


チラッと横目に騒ぎまくっている酒巻を見る陸。



酒巻は、意外と言ったら失礼だが、青山サン並みに人気がある。



つまり、彼はイケメンという部類にはいるのだ。



「そうねー。」


「あ…っ、央!」


陸が思い出したように、そう叫んだ。



「何よー…」


「あのさっ、休憩の時とかさ…もしさ、よ、良かったらさあ」


しどろもどろの陸は、顔を真っ赤にさせる。



「うん?」

「一緒まわんねえ…っ?」



片目とじて、顔を真っ赤にさせて、そう言った陸。



…デートの誘い?



「…別にいいけど」