ピアス

友達がリスカをしていたことがあった。



手首には何本も痕があったけど、一度もその話題に触れまいと私は努めていた。

なぜなら、彼女を救いたい以上に彼女の苦しみの大きさに躊躇ったから…






つまり、ひいていた。






しかし彼女は躊躇いもなくあっけらかんと言った。



『また切ってしまった』