きれいな桜を見てもね。私の心はきれいじゃないの。
素敵なものを見てもね。悲しくなるだけなんだ。

「これを裕君と見れてたらどれだけ良かっただろう」
「裕君はなんて言うかな?」
「裕君と一緒に見たかったなぁ」

・・・馬鹿だ。もう裕君はいないのに。

あれだけ現実を見ようって言ったのは私だったのに。


・・・そっか。裕君もこんな気持ちだったんだね。
彼女さんを失った裕君。
裕君を失った私。

裕君の気持ち、何も分からないで裕君に言葉をかけてたね。
こんなに、こんなにも悲しかったんだね・・・。

ごめんね。裕君の気持ちに気付いてあげられなくて。
ごめんね。裕君に恩返しもしてあげられなくて。
ごめんね。裕君を孤独に、一人ぼっちにしてしまって・・・。