いつもよりずっとずっと歩みがゆっくりなのは、わざとだよ。



だって、もったいない……。




アナタとの時間に終わりが来てしまうのなんて……。




あと二本……そして、一本。




あぁ。


桜並木が終わってしまう。




どうすれば、この手を離さずに済みますか?



どうすれば、またこの並木道を一緒に歩けるのですか?



どうすれば、ずっと居られるのですか?




どうすれば、最期のときまで笑っていられますか?





夜風に舞う桜嵐に包まれる間だけはどうか、




きつくきつく、抱き締めていて下さい。





-fin-