キミが居なくなって、僕は幸せなんて感情根こそぎ失ってしまった。






でも、違ったんだ。




目を閉じれば、大好きなキミでいっぱい。




大好きなドーナツを頬張るキミも、



レモンパイを僕に否定されたときの哀しそうな顔も、




みんなに囲まれて楽しそうに笑う声も、



「がんばろうね?」って、手を差し伸べてくれたことも、




空を見上げる儚げな瞳も……。





全部僕の中で、僕を幸せな気持ちにしてくれる。





命ある限り、キミと一緒に居られるんだ……。




僕は幸せだ。





キミは幸せだった?





そんな気持ちを込めて吹いたトランペットに、





柔らかな粉雪がふわりと落ちた。





-Fin-