『はぁ〜……』



深いため息をつきながらも、遅刻しないように少し早めに家を出た。


駅に向かう途中で、鞄から携帯を取りだし、


“行ってきます!”



そう送信して、携帯を握りしめたまま小走りに駅へと向かった。


メールの相手はそう…




私の愛しい人…




莉央…。



直ぐに携帯が震え出す。



“気をつけて!!俺もこれから…行ってきます!”




“気をつけて”って…



私は子供か?



駅に近づくにつれ、新入社員らしき人たちが目につく。


みんな…着なれないスーツだけどイキイキしてる…


私とは正反対…。


スーツのように浮きまくってるよ…。


あ〜ぁ…



このまま莉央のところに行きたいなぁ…



莉央の住む、神奈川に…