「何故、そう思われるのですか?」


わたしは御堂さんの目をまっすぐ見つめた。


「どんなに相手のことを思っても、相手が同じ気持ちだとは限らないです。それに……」



-おまえのことは好きだし、今でも尊敬してるよ


だけどおまえは俺がいなくても平気だから-



あいつのセリフが心を掻き乱す。



「たとえ両想いだったとしても、すべてを理解しあえるなんて無理なんです」


「……なるほど、分かりました。以上で面接は終了します。ご協力ありがとうございました。詳細は後日、こちら郵送させて頂きますわ」



こうしてわたしは恋愛サンプルを試すことになった。

送られてきた手紙には、サンプルとなる相手の名前と、彼に会う日時や場所が指定されていた。