いっしょに買い物に来ていた麻生真子(アソウ マコ)の声で現実に戻ってきた。


「ねえ真子~これ何だと思う?」


真子がわたしの指さすカードを見る。


「恋愛サンプル?何だろうね……面白そうだから入ってみようか」

「えっやめといたほうがいいよ、こんな怪しい店!!」


大丈夫だよ~とかなんとか言いながら、真子はさっさとお店のドアを開けてしまった。


なんだかんだいって興味はあったので、わたしは真子の後ろをついていった。



お店の中は期待を裏切らないアンティーク調となっていた。


照明は華やかなシャンデリア。


ワインレッドのシックなソファー。


これでドレスでも並んでいようものなら、本気でブライダル系のお店だと思ったかもしれない。



「いらっしゃいませ」