たとえば。

お気に入りの香水や化粧品を選ぶように、恋愛相手を選べたら。


きっと恋をして傷つくことも無くなる……。



『恋愛サンプル』




わたし、香月美紀(コウヅキ ミキ)は、とあるショーウインドウの前で悩んでいた。


何なのよ、コレは……!?



オシャレな靴や服のお店が建ち並ぶ中、わたしの目の前にはこんな文章が。



-恋愛サンプルあります。あなたも試してみませんか?-




白いお皿の上にちょこんと立てられた小さなカードに、それは書かれていた。

お皿のまわりは色とりどりの花が敷き詰められ、レースのカーテンが天井を華やかに飾っている。


ブライダル系のお店のようにも見えるが、それにしてはちょっと怪しい。


「美紀ー?どうしたのよ立ち止まって」