「何?」
「あれ。」
愛ちゃんが指を指した場所を見ると、そこだけ大人数の塊があった。
「絶対あの中にいると思う。」
「うん…。」
私たちはその中にはいって行くことにした。
人が多すぎてなかなか進めない。
ギャルも怖すぎる。
どうしよ…
と困っていたところに
「あっ!あいちん!」
と拓磨の声が聞こえた。
「えっ?」
すると、急に目の前の人たちが道をあけ、翔たちがよく見える。
「はやくこい。」
私たちは翔たちの所へ近づいた。
人の視線が痛い。
舌打ちやヒソヒソ声が聞こえる。
「お前らうざい散れ。」
凄く低い声。
でも翔でも拓磨でもない。
誰?と思っていると、
「龍かっこよすぎ。俺が言おうとしたのに!」
そんな拓磨の声で龍だと分かる。
その声を聞いた人々はどんどん居なくなり、大人数の塊は居なくなった。

