「舞香?本当に翔とどうしたの?」 ままが心配して訪ねてくる。 「いや、なんでも…」 それしか言えない。 だって、翔が怒ってる理由もわからないから。 「だったら翔を追いかけてきたら?」 ママの口調が少し強くなる。 いつもなら行く。 何があっても。 でも、今の私にはできない。 足が動かない。 「ねぇ、本当に何かあったんでしょ?」 とさっくんも追い討ちをかけるように行ってくる。 「舞ちゃん?ここで行かなかったら何も変わらないよ? それでもいいの?」 いいはずがない。 「私、行ってくる!」