耳に少しの風を受け、 背筋がぞくぞくっとした。 『愁、バスの席… 隣の人決まってる…?』 あたしはふと緩んだ愁の腕をほどき、 愁の顔を見上げるようにして 正面に立ち、そう言った。 すると愁は眉間にしわを寄せて 困った顔をした。 え… もう決まってる…よね。 「残念ながら…」 愁がそう言って口を開いた。 その瞬間あたしは、 しゅんとしてしまった。 しかし、愁の言葉には続きがあった。